鈴木牧之は明和七年(一七七〇)一月、魚沼郡塩沢に鈴木恒右衛門の長子として生まれた。幼名を与太郎と称し、元服して義三治と改め、俳号を牧之と号した。 鈴木家は縮布仲買商を営んでおり、父恒右衛門は牧水と号した俳人でもあった。牧之は父の影響を受け幼い頃より手習い、文芸、学問に励んだ。